編集部コラム
CMソングが「情報なし」になりやすい業種はどこか
CM名鑑編集部・公開
CM名鑑に登録したCMのうち、CMソングの情報が確認できているのは全体の一部です。業種別に見ると化粧品・飲料は曲情報が確認できているCMが多く、医薬品・IT・不動産は少ない傾向がありました。
CM名鑑に2026年10月22日時点で登録した986本のうち、CMソング(song)の情報が確認できているCMの割合を業種別に集計した結果です。
集計の範囲と「情報なし」の意味
CM名鑑のCMソング欄は、公式の情報源(企業のニュースリリースやCM特設ページなど)で曲名・アーティストが確認できたときだけ登録する運用です。確認できなければ「情報なし」のまま空欄にしており、推測で埋めることはしていません。つまり本記事で「曲情報あり」としている割合は、「実際に曲が使われているCMの割合」ではなく「公式情報源で曲名まで確認できたCMの割合」です。曲自体は使われていても、企業が曲名を公表していないケースは「情報なし」に含まれます。
曲情報が確認できているCMの割合が高い業種
- 化粧品: 全50本中15本(30%)
- 日用品: 全51本中11本(22%)
- 飲料: 全105本中21本(20%)
- 建設: 全20本中5本(25%)
- 外食: 全31本中5本(16%)
なお、この集計には「CMソングが実際には存在しない」ケースも混ざっている可能性があります。企業の自社開発によるオリジナルBGMで、楽曲として独立したタイトルやアーティスト名を持たない場合、そもそも「曲情報」という項目自体が成立しません。公式リリースに曲名の記載がある場合に限って登録するという当サイトの運用上、業種によって「曲名を公表する文化があるかどうか」が結果に反映されている面もあると考えられます。実際、医薬品・IT・電気・ガスの3業種は曲情報あり率が0%でしたが、これらの業種のCMを見ても音楽が全く使われていないわけではなく、公式リリースの文面が商品説明に特化していて、BGMについて言及していないだけという印象を受けます。
曲情報が確認できているCMの割合が低い業種
- 医薬品: 全38本中0本(0%)
- IT: 全58本中0本(0%)
- 電気・ガス: 全17本中0本(0%)
- 不動産: 全87本中4本(5%)
- 転職・求人: 全57本中2本(4%)
- 通信: 全47本中3本(6%)
編集部の見立てとして、この差は「商品の訴求にBGMやCMソングの印象を使う必要があるか」の違いを映している可能性があります。化粧品・飲料・日用品のCMは、音楽やリズムで商品のイメージを作る構成が多く、曲名がリリースで明示される傾向があります。一方で医薬品・IT・不動産・転職・求人のCMは、効能や条件、サービス内容を言葉で正確に伝えることが優先され、音楽は背景的な役割に留まりやすいのかもしれません。もちろんこれは986本の登録データから見える傾向であり、「音楽を使っていない」のではなく「曲名が公式に明示されていない、あるいは編集部がまだ確認できていない」ケースも含まれることには注意が必要です。
曲情報がある日用品CMの例
日用品業界で曲情報が確認できている例として、花王のエッセンシャル「さらツヤすぎる!Essential!(LOVEマシーン)」篇があります。このCMは曲名が公式リリースに明記されているため、CM名鑑でも曲情報ありとして登録できています。日用品・化粧品のCMでは、このように既存曲のタイトルをそのままCMの篇名に含める形でリリースされることが多く、曲名の確認が比較的しやすい業種だと感じます。
全体の傾向
全986本のうち、曲情報が確認できているのは101本で、全体の約10%です。CM名鑑に登録している曲は71曲あり、1つの曲が複数のCMで使われているケースも含まれます(同じ曲が複数の企業・商品のCMで使われる例は「曲」の一覧ページから確認できます)。曲情報の確認は、公式リリースに曲名が明記されていない限り推測で追加しないという編集方針上、今後も業種によって確認できる割合に差が出続けると考えられます。
「情報なし」は改善の余地がある項目
CM名鑑のCMソング欄で「情報なし」になっているCMの中には、放映時のニュースリリースに曲名の記載がなかっただけで、実際には既存曲や企業の自社制作曲が使われているものも含まれていると考えられます。編集部では、公式情報源に記載がなくCM名鑑では確認できないものについては、推測で埋めることをせず空欄のままにしています。業種別の「情報なし」率の違いは、業種そのものの傾向というより、公式リリースの書き方の違いを反映している可能性もある、という点は留保しておきたいところです。曲名が明記されたリリースを新たに見つけたときは随時追加しているので、今後この割合は業種によって少しずつ上がっていく可能性があります。