編集部コラム
同じ企業が何本も作る「シリーズCM」、その作り方の考察
CM名鑑編集部・公開
同じ企業・同じ商品で2本以上のCMを作っている「シリーズCM」は、CM名鑑の登録データで179組見つかります。上位にはアイフルやサッポロビール、アットホームなど、放映を重ねて世の中に定着させてきた企業が並びます。
CM名鑑に2026年10月22日時点で登録した986本のうち、同一企業・同一商品(brand × product)の組で2本以上登録されているものを集計した結果です。
集計の範囲
CM名鑑の各エントリには企業(brand)と商品名(product)が登録されています。この2つの組が同じ値になっているCMを「同一シリーズ」とみなし、2本以上登録されている組を数えました。対象はCM名鑑に2026年10月22日時点で登録した986本です。同じ商品でも別キャンペーン・別キャストで作られたCMは、当サイトでは別エントリとして登録しており、この集計では「何年にもわたって同じ商品名のCMを作り続けている企業」が上位に来やすい形になっています。
シリーズ本数ランキング
- アイフル「アイフル」: 16本
- サッポロビール「サッポロ生ビール黒ラベル」: 15本
- アットホーム「アットホーム」: 15本
- JCB「JCBブランド」: 13本
- ソニー損保「ソニー損保の自動車保険」: 12本
- マイナビ「マイナビ」: 10本
- LIFULL HOME'S「LIFULL HOME'S」: 9本
- 奥村組「奥村組」: 8本
- キリンビール「キリン一番搾り生ビール」: 7本
- Indeed「Indeed」: 7本
- 日本製鉄「日本製鉄」: 7本
当サイトの登録データ全体では、同一企業・同一商品の組が2本以上になっている「シリーズCM」は179組あります。業種別に見ると、金融・不動産・飲料のブランドが上位に目立ちます。
編集部の見立てとして、シリーズCMを作り続けている企業には共通点があります。アイフル・JCB・ソニー損保のような金融・保険系の商材は、商品そのものに大きな変化がなく、同じブランド名を繰り返し見せることで「知っている・信頼できる」という印象を積み重ねる狙いがあると考えられます。一方、サッポロビールやキリンビールのような飲料は、同じ商品名でも季節や新しい訴求軸(季節限定パッケージ、新成分など)に合わせて篇を切り替えながら放映を続けており、「同じ商品名だが毎回少し違うCM」を重ねる形でシリーズ化している印象です。アットホームやLIFULL HOME'Sのような不動産・住宅ポータルは、引っ越しや物件探しのシーズン(1〜3月、9月前後など)に合わせて新篇を出す傾向があり、シリーズの更新頻度に季節性が見られます。
シリーズCMと出演者の関係
シリーズCMは、同じ出演者を続けて起用する例と、篇ごとに出演者を変える例の両方があります。たとえばアイフルのシリーズは複数の出演者が入れ替わりながら続いている一方、ソニー損保のシリーズは比較的固定した出演者で続いている、といった違いが見られます。どちらの型を取っているかは、各企業のCM一覧ページで放映開始日の新しい順に見ていくと分かりやすくなっています。
アイフルのシリーズを支える座組
アイフルのシリーズCM16本には、大地真央・今野浩喜の2人が繰り返し起用されている回が複数含まれています。「ちっちゃい宇宙人女将」篇や「ビューティフルファイター」篇など、篇名は毎回変わりますが、この2人の組み合わせがシリーズの軸になっている回が多く、共演回数の集計(「CMで何度も共演する『鉄板ペア』ランキング」で16回としてランキング1位になっている組み合わせです)とも一致します。シリーズCMの本数ランキングと、出演者の共演回数ランキングを重ねると、同じ座組がシリーズを支えている実態が見えてきます。
この集計の限界
この集計は「商品名が完全に一致しているか」で判定しているため、同じキャンペーンでも商品名の表記が微妙に異なる場合(リニューアル後の商品名変更など)は別シリーズとして数えています。また、CM名鑑への登録が進んでいない企業・商品は実際より本数が少なく出ている可能性があります。あくまで当サイトの登録データ内での集計として読んでください。
シリーズの長さと放映期間
今回上位に入った企業の中には、アイフルの「ビューティフルファイター」篇(2021年)のように、5年近く前のCMが現在まで同一シリーズとして続いている例があります。シリーズCMは、一度確立したキャラクターや座組を長期間使い続けることで、CMを見た人が「あのCM」と思い出しやすくする効果を狙っていると考えられます。放映開始日の古いものから新しいものまでを並べて見ると、同じシリーズ内でも訴求内容が少しずつ変化している様子が分かる場合もあり、各ブランドのCM一覧ページで新しい順・古い順を見比べてみると発見があるかもしれません。アイフルのように5年にわたってシリーズを続けている企業と、2〜3本で新しいキャンペーンに切り替える企業の両方が同じランキングに並んでいる点も、本数だけでは分からない違いの1つです。